♯01
公安9課
SECTION-9
新浜市内の料亭で外務大臣が芸者ロボットに拘束される事件発生。現場に駆けつけた公安9課は、陸軍情報部がこの一件に介入したがっていることを知る。直ちに突入し、無事大臣の救出に成功する9課。ところが「一ノ瀬レポート」と呼ばれる機密情報を巡り秘密裏に内偵を進めていた大臣の秘書官は、脳に深刻なダメージを受けていた...。いったい料亭内で何が起きたのか?
♯02
暴走の証明
TESTATION
大手重機メーカー剣菱重工の演習場で、最新型多脚戦車が暴走をはじめた。ただちに内務省より出動要請がなされ、公安9課のメンバーは思考戦車タチコマと共に現場へ急行する。認識コードから、暴走戦車の搭乗者は設計士の加護タケシと判明。ところがこの男、1週間前に死亡が確認されていた...。市街地へとばく進する暴走戦車。はたして公安9課は戦車を食い止められるのか?
♯03
ささやかな反乱
ANDROID AND I
アンドロイドGA07-JL(通称・ジュリ)が、いっせいに自殺をはじめる。可愛いく安価だったこともあり、ジュリはユーザーによる「不適切」なマイナーアップデートを受けることの多い機種だった。「ジェリは自分の運命を呪って自殺したのではないか...?」そんな噂も囁かれる中、公安9課の捜査線上に浮かび上がるある1人の男。彼もまたアンドロイド・ジュリと行動を共にしていた...。
♯04
視覚素子は笑う
INTERCEPTER
本庁時代のトグサの同期・山口が不慮の事故で死亡する。「笑い男」と呼ばれる特A級ハッカーによる企業テロ通称「笑い男事件」特捜部にいる山口は、上層部の不審な動きを察知。彼の死に疑問を持ったトグサは、特捜刑事たちに対し盗視聴覚デバイスが不正使用されていることを掴む。この疑惑を受けただちに会見を開く警視総監。ところがその会見場に、笑い男が現れた!
♯05
マネキドリは謡う
DECOY
会見場で「警視総監暗殺予告」を行った笑い男。特捜部は最重要参考人としてナナオ=Aをマークする。都合よく現われたナナオはデコイ(おとり)であり、警視庁内部の秘密工作の可能性もあると推理する荒巻は、バトーとトグサにナナオの張り込みを命ずる。一方、「笑い男事件」のあらましを再確認した素子はゴーストのささやきに従い、警視総監の護衛に回るのだった。
♯06
模倣者は踊る
MEME
ナナオが、送り込んだ断片化された遅効性ウィルスにより、警視総監を警護するSPが次々に総監に襲いかかる! ウィルスはSPの暗号コードがトリガーとなって発症する...そのはずが、一般市民までもが次々に「笑い男」を名乗り、警視総監に襲いかかってきた! すべては本当に自作自演なのか? あるいは本物の「笑い男」によるものなのか...?
♯07
偶像崇拝
IDOLATER
ニューポートシティに1機の旅客機が降り立った。入国してきたのは、民主革命の指導者にして伝説の英雄マルセロ=ジャーティ。不審な出入国を繰り返すその目的を調査すべく、公安9課が捜査に乗り出した。暗殺されたとの報道もなされる中、彼はある資材倉庫へと車を走らせる。その倉庫は、マルセロ入国の度に異常な電力消費が確認されていた...。
♯08
恵まれし者たち
MISSING HEARTS
提供した覚えがないのに、自分の臓器が勝手に売買されている──。情報提供を受けた素子がとある病院を訪れる。臓器の闇取引を目的とした海外マフィアの集団拉致事件が頻発していることから、公安9課が事件を担当。調べを進める中で、摘出された臓器のラベルを貼り替え証拠隠滅を図る犯人グループと遭遇。素子たちは直ちに彼らを追跡する。
♯09
ネットの闇に棲む男
CHAT! CHAT! CHAT!
ネット上では6年ぶりに姿を現わした笑い男の話題でもちきりとなっていた。ネットの住人たちは「笑い男事件」のそもそものはじまり「セラノ・ゲノミクス社長誘拐事件」までさかのぼって犯人像をプロファイルする。クロマというハンドルネームを使い彼らの討論を傍観していた素子は、ナナオは笑い男ではないかもしれないと疑問を口にする、"知りすぎた男"の存在に着目する。
♯10
密林航路にうってつけの日
JUNGLE CRUISE
新浜市内で連続猟奇殺人事件が発生。米帝からの犯人身柄引渡し要請を受け、バトーとトグサはCIAと共に捜査に乗り出した。「あの悪夢が俺の前に姿を現わしやがった」現場を見て確信するバトー。かつてレンジャー部隊に所属、密林のジャングルへも行軍していた彼には犯人に心当たりがあったのだ。それは米帝の特殊作戦が生み出した悪夢だった...。
♯11
亜成虫の森で
PORTRAITZ
厚生省のデータベースに大規模なハッキングが仕掛けられた。逆探知の結果とある施設からのアクセスであることが判明。そこは電脳閉殻症患者が収容される授産施設だった。荒巻の命を受け、トグサは研修生を装って単身その施設へ潜入捜査を試みる。ネットとの相性が抜群に優れている授産施設の子供たち。その中に、左利きのキャッチャーミットを抱える1人の青年の姿があった。
♯12
タチコマの家出
映画監督の夢
ESCAPE FROM
任務終了後はハンガーに収容されているはずタチコマたち。そのうちの一機が9課を飛び出した!無垢なる好奇心から、ジャンク街に繰り出したタチコマは、迷子の飼い犬を探す1人の少女と出会う。AIで半不死のタチコマには、"ゴースト"の概念はない。ところが少女との出会いを通じて、タチコマにはなんともいいがたいある感情らしきものが芽生えていく...。
♯13
≠テロリスト
NOT EQUAL
16年前、人類解放戦線の亜流セクト「興国の旅団」に誘拐された「戸久良エレクトロニクス」社長の娘、戸久良エカ。彼女が沖縄沖の放射能除去プラントで発見される。ところが海上保安庁SSTにより公安9課に送られてきた写真には、16年前とまったく変わらぬ姿のエカが写っており、DNAも彼女のものと一致。いったいそこで何が起きているのか? 公安9課がプラントへ潜入する!
♯14
全自動資本主義
¥€$
中国華南省出身の暴力団が殺し屋を雇い、日本の大物個人投資家「横瀬兼元」暗殺を計画している──。華南公安局から情報を得た公安9課は、横瀬氏の身辺を固める。ところがこの横瀬氏。人前には一切姿を現わさず、しかも豪邸の中には"ゴースト"を持たない人形たちしかいないという有様だった。豪邸に突入した素子は、そこで資本主義を憎悪する暗殺者と対峙するのだが...。
♯15
機械たちの時間
MACHINES DESIRANTES
狙撃支援システムAIが廃棄処分にされそうなのを目の前にしたタチコマたち。自分たちもそのうち廃棄処分にされてしまうのではないかと不安になる。議論好きなタチコマ、本を読むのが好きなタチコマ。"ゴースト"の存在しないタチコマたちは、個性を獲得しつつあった。しかし、戦闘兵器であるタチコマたちに、個性は不要なものでしかなかった...。
♯16
心の隙間
Ag2O
パラリンピック総合格闘技の銀メダリスト・パブロ=ザイツェフに、スパイ容疑がかかる。陸軍情報部からの要請で、バトーは連隊の一員になりすまし軍施設へと潜入、ザイツェフに接触を図る。訓練所でのスパークリングを通じて、拳と拳で心を通わせるバトーとザイツェフ。ところがザイツェフは「もし見慣れぬ者が身辺に現れたら注意しろ」と、警告を受けていたのだった...。
♯17
未完成ラブロマンスの真相
ANGELS' SHARE
荒巻と素子が国際テロ対策協議でロンドンを訪問。イギリス在住の昔馴染みシーモア婦人の店に立ち寄った荒巻は婦人から相談を持ちかけられる。彼女のワイン・ファンドがマフィアのマネーロンダリングに利用されているらしいというものだ。その時、強盗による襲撃受ける。素子はバックアップのない外国の地で2人を助けられるのか...?
♯18
暗殺の二重奏
LOST HERITAGE
戦没者慰霊碑訪問のため、中国より金外務次官が来日。中国公安部からの情報により、9課は外務大臣暗殺計画の容疑者を割り出すが、荒巻は驚きを隠せない。容疑者は荒巻のかつての同僚で、6年前にこの世を去った陸自調査部長辻崎莞爾一佐の息子・辻崎ユウ。9課の動きを先読みする彼の行動は、まるで父親が乗り移ったかのような、老獪な諜報員さながらだった。
♯19
偽装網に抱かれて
CAPTIVATED
元総理大臣神崎修三の一人娘・神崎玲子が繁華街で姿を消した。犯行手口が"目隠しイワン"と呼ばれるロシアンマフィアに極めて近いことから、公安9課は組織犯罪の線で捜査を進めていく。ところが神崎元総理は公務期間中「集団拉致否定発言」によって、ロシアの擁護派として知られていた人物。神埼元総理の娘を拉致したロシアンマフィアの思惑とは、はたして...?
♯20
消された薬
RE-VIEW
特A級のハッキングテクニックを持ちながら、その技術力に似つかわしくないアナクロな行動が目立つ「笑い男」。「彼はハッキングが得意だからこそ、書き換え可能な電子情報に価値を見出していないのでは?」素子に進言したトグサは、紙媒体の証拠を探しはじめる。単身、厚生労働省に赴き、膨大な資料に目を通す中で、トグサは闇に葬り去られた「村井ワクチン」の真実を知る。
♯21
置き去りの軌跡
ERASER
事件の真実に迫ったトグサが、麻薬取締強制介入班の襲撃で負傷、昏睡状態に陥る。9課はトグサの電脳から記憶を抜き出し、村井ワクチン接種者リストをリークしたとされる中央薬事審議会理事長・今来栖尚確保に乗り出す。時を同じくして、証拠隠滅のため強制介入班もまた今来栖を追跡。素子は強制介入班の新型アームスーツと対決する!
♯22
疑獄
SCANDAL
荒巻は強制介入班の裏で糸を引いていた厚生省医薬局新美局長を逮捕。これを機に公安9課は事件の真相を一気に攻め込もうとしていた。そんな折、荒巻が強制介入班残党の策略に落ちてしまう! 一方、新型アームスーツとの戦闘で義体が大破してしまい、新しい義体に交換しようとしていた草薙素子にも、強制介入班残党の手が伸びていた...。
♯23
善悪の彼岸
EQUINOX
拘留中の新見局長が電脳自殺を図り、すべての証拠は消されてしまった。黒幕である薬島幹事長と一連の「笑い男事件」を結び付ける唯一の証拠──それは6年前に誘拐されたセラノ・ゲノミクス社のアーネスト瀬良野社長のみだった。事件後、警護という名の下に常に監視状態に置かれている瀬良野社長。彼の前に、6年前と同じように笑い男が姿を現わした。
♯24
孤城落日
ANNIHILATION
瀬良野氏誘拐未遂事件に関与したとして、公安9課が世間の批判を集める。荒巻は総理大臣に薬島幹事長逮捕を進言。総理は同意するが、国家反逆罪の濡れ衣を着せられた公安9課壊滅のため、海軍特部隊がすでに突入準備を始めていた。対する9課は施設を破棄。素子以下メンバーたちはそれぞれに逃走するのだが...。
♯25
硝煙弾雨
BARRAGE
バラバラに散って街に潜伏していた公安9課のメンバーが次々に拘束されていく。追っ手から逃れていたバトーは、ある目的を果たすため、素子のセーフハウスを訪れる。だが、そこはすでに海軍特殊部隊の監視下にあり、バトーはアームスーツと対決。まさに危機一髪というそのとき、バトーは思いもよらぬ援軍に助けられる。
♯26
公安9課、再び
STAND ALONE COMPLEX
「9課壊滅」の報道がなされる中で、トグサは1人釈放され、自宅待機を命じられる。そのころ世間は「薬島与党幹事長逮捕」に沸き立っていた。だが、公表される真実はどれも9課が捜査し集めてきた事実である。義憤の念に耐えられず、トグサは拳銃と『ライ麦畑』をポケットに放り込むと、与党本部へと向かう。